T10 — 奇譚・因縁
因果や巡り合わせの不思議を語る話。
遠野22話
- 第九話大谷地の谷底より呼ぶ声笛の名人菊池弥之助が仲間と境木峠を越える途中、笛を吹きながら大谷地の上を過ぎると、深い谷の底から「面白いぞー」と高い声で呼ぶ…
- 第十一話嫁姑の争いと孫四郎の凶行嫁姑の不和から、倅の孫四郎が母を殺そうと大鎌を磨ぎ、家中の戸を閉ざして母を追い詰め斬りつける。母はかつて深山で聞かれたのと同…
- 第十二話昔話を伝える乙爺土淵村山口の老人新田乙蔵は村の館の伝記や家々の盛衰、山の伝説や山に住む者たちの物語などを最もよく知る人物であったが、老いて病…
- 第十三話峠に住んだ老人の生涯数十年を山中の峠の小屋で独り暮らした老人は、若い頃に財産を失って以来世を捨て、甘酒を売って生計を立てていた。時折町へ出ては酒…
- 第十九話毒茸による一家全滅孫左衛門の家で梨の木のまわりに生えた見知らぬ茸を、水桶でよくかき混ぜれば中らぬという言に従い一同で食し、七歳の娘一人を除き家…
- 第二十七話池の端の黄金石臼閉伊川で若き女に手紙を託された池の端家の先代が、六部の教えで手紙を書き換えて届け、礼に小さな石臼を得た。臼は米を入れて回すと…
- 第三十三話白望山の怪光と幻の黄金白望の山で夜を明かすと深夜あたりが薄明るくなり、谷の彼方で大木を伐る音や歌声が聞こえることがある。茸採りの者が山中で金の樋と…
- 第三十八話酔いに誘われた狼禍小友村の旧家の主人が酒に酔い、御犬(狼)の遠吠えを真似たところ、狼が後をつけて来た。恐ろしくなり門を固く閉ざして家に籠ったが…
- 第四十二話狼退治と鉄の最期六角牛山麓の萱山で飯豊村の者が狼の子を三匹見つけ二匹を殺して一匹を持ち帰ったところ、以後この村の馬ばかりが狼に襲われるように…
- 第四十三話熊と組討ちの逸話上郷村の熊という男が友人と六角牛山へ雪の日に狩に出て大きな熊と出会い、銃を捨てて抱きつき谷川まで転げ落ちた。熊の下敷きになり…
- 第四十九話仙人堂の怪異記録仙人峠の中腹には仙人を祀る堂があり、旅人がこの山中で遭遇した不思議な出来事を書き記す習わしがある。髪を垂らした若い女に出会い…
- 第五十四話淵の底の亡者の家川井村の長者の奉公人が淵に斧を落とし、水底に入ると亡くなった主人の娘の家があり、娘が機を織っていた。娘は口外しないことを条件…
- 第七十七話跨いだ死人の幻影葬式の夜、田尻長三郎が一人遅れて帰る途中、軒下の石を枕に仰臥する見知らぬ男を見つけ、足で揺すっても動かないため跨いで帰った…
- 第八十三話祟りのある古文書山口の大同、大洞万之丞の家は建て方が他と異なる古い家で、玄関は巽の方角に向いている。この家には開けると祟りがあるとされ決して…
- 第八十四話海岸に来住した西洋人佐々木氏の祖父が青年であった嘉永の頃、釜石や山田、船越の半島の突端には西洋人が多く来住し、耶蘇教も密かに行われ遠野郷でもこれ…
- 第八十五話白子の兄弟がいる家土淵村柏崎に、両親とも正しく日本人でありながら髪も肌も眼も西洋人のような白子の兄弟がいる家がある。二人は農業を営み、当時二十…
- 第九十五話不思議な石と昇天の体験庭作り好きの菊池某が山で見慣れぬ美しい大岩を見つけ持ち帰ろうとしたが、重さに休んで寄りかかったところ、石とともに空中に昇り…
- 第九十六話火事を予言する白痴の男遠野の町に住む白痴の男は、路上の木切れや塵を拾って嗅ぐ癖があり、時折人家に石を投げつけて火事だと叫ぶことがあった。すると必ず…
- 第九十九話津波で失った妻の霊土淵村の福二は大海嘯で妻子を失い、屋敷跡に小屋を建てて暮らしていたが、ある夜霧の中で亡き妻が別の亡くなった男と連れ立って歩く…
- 第百六話山田に見える蜃気楼海岸の山田では毎年蜃気楼が現れ、常に見慣れぬ外国の都市の景色が映り、人馬の往来する様子が見えるが、年ごとに形はほとんど変わら…
- 第百十二話ダンノハナと蝦夷屋敷の遺物ダンノハナは昔館のあった時代に囚人を斬った場所とされ、村境の丘にある。近くの蓮台野には蝦夷屋敷という凹地が多く残り石器土器を…
- 第百十八話継子譚ヌカボの話紅皿欠皿の話も遠野郷に伝わり、欠皿にあたる娘はヌカボと呼ばれる。継母に憎まれるが神の恵みによって長者の妻となる継子譚である。
紫波郡73話
- 第二話黄金の生る吹花殿様の前で誤って屁をひった奥方は里へ帰され、そこで男の子を生む。父無し子と呼ばれ育った子は学問に励み、色紙で作った花を「屁を…
- 第三話古河の幸太古河の幸太は北上川で鴨撃ちに出かけるが、鉄砲で撃つより川に潜って捕まえようと考え、捕らえた鴨の首を次々に自分の褌に挟み込んで…
- 第四話古河の幸太北上川の淀で鴨にさらわれた幸太が奈良の大仏の屋根に落とされ、村人の風呂敷で降りようとして失敗し土中に落ちる。医者にもらった薬…
- 第五話二歳胡麻に三歳胡麻昔語りを聞くと必ず「飽きた」と遮ってしまう長者殿のお婆さんを退屈させて眠らせた者に胡麻を与えるという高札が立つ。訪れた男が蛇…
- 第八話長薯十七本貧しい聟が長者殿の秋餅の宴に手土産を持たず、川で鴨を撃ち、追った先の橋杭の間で長薯十七本を掘り当て、脱いでいた股引には魚まで…
- 第十話若木の箒父は三人の息子に金百両と蔵を与え、三年の間に蔵へ最も価値ある物を入れた者を跡取りにすると告げる。総領息子は財を求めず、破損し…
- 第十一話鼻利き夫は留守中に妻が隣家の男を招いてご馳走することに気づき、外出したふりをして厩の梁に隠れ、二人が餅を搗く様子を長い棒でつついて…
- 第十二話陣岡左衛門と馬場松夜、夫が妻の手の形を冗談で話した翌朝、二人の侍が「約束通り妻を連れて行く」と言って現れ、夫婦は驚いて和尚に相談すると、狐の仕…
- 第十三話糠福と米福継母は先妻の子・糠ん福には底の破れた叺を、実子・米ん福には無事な叺を持たせて栗拾いに行かせ、姉に先を歩かせて意地悪をする。山…
- 第十四話豆こ一つ貧しい老夫婦が見つけた一粒の豆が穴に転がり込み、掘り進めると地蔵様のもとへたどり着く。地蔵様に招かれ膝・肩・頭に上って鶏の鳴…
- 第十五話右衛門太郎と左衛門太郎隣同士の右衛門太郎と左衛門太郎が山小屋に泊まった夜、山の神が遅れてやって来て、それぞれの妻が産む子の性別と持って生まれる運(…
- 第十六話打たん太鼓に鳴る太鼓難題ばかり言いつける和尚に「何だべを買って来い」と命じられた小僧は、橋で見た馬の腸を持ち帰り呆れられる。次に「打たん太鼓に鳴…
- 第十七話二束四束刈上げ餅を搗く晩に泊まった盲目の座頭は、夫婦が「盗んだ稲で搗いた餅だから食わせられぬ」と隠した餅を、寝たふりをしてこっそり夫…
- 第十八話雁汁爺さんが拾って育てた白い犬が鹿狩りを助け、獲物の肉を得るが、隣の欲張り婆さんが真似て犬を借りると蜂に刺されて失敗し、腹いせに…
- 第二十一話たご馬馬喰が泥田に落ちて尻から蛙を体内に飲み込んでしまい、腹の中で蛙が鳴き出す。伯楽の助言で鵜を飲んで蛙を退治させ、暴れる鵜は熊手…
- 第二十三話伊勢詣り子伊勢参りに出た子どもが空き家に泊まると、夜中に赤蝋燭と赤坊主、黒蝋燭と黒坊主が現れて踊った後、美しい女性が現れて座敷と常居の…
- 第二十四話べごこ長者大晦日に買い物に出た父親は正月用品ではなく炭を買って帰り、妻は怒って実家へ帰ってしまう。父親は炭を家中に撒いて客をもてなす真…
- 第二十五話桃賣殿樣若者は水浴びしていた三人の天女のうち一人の羽衣を隠して妻にするが、天女が描いた自分の姿絵が風で殿様の庭に飛んで行き、殿様に見…
- 第二十六話播磨の國糸長庄司城普請に来た三人の百姓が昼休みに望みを語り合い、それを聞いた殿様が三人それぞれに殿様の食事・千両箱・奥方の一人を与える。三番…
- 第二十九話狐の嫁取りもんぢやの吉が長者殿の嫁探しを頼まれ、狐たちに花嫁行列に化けてくれと頼んで祝言を挙げさせる。翌朝、天井から馬の骨がぶら下がり…
- 第三十話仙北町のとんちき仙北町の粗忽者が志和稲荷への参詣を思い立ち、妻の指図を次々と聞き違えて、握り飯の代わりにお歯黒壺を、風呂敷の代わりに妻の腰巻…
- 第三十一話姥皮百姓の父親が蛙を助けてくれた蛇に娘を一人嫁にやる約束をし、末娘が承知して蛇の元へ嫁ぐ。娘は蛇の穴に針を投げ込んで大蛇の一族を…
- 第三十三話阿野様和山の阿野様に仕える太郎という子供が、盗んだ米を松の木に吹きかけて鷹の巣があるように見せかけ、旦那様を騙して木に登らせる。梯…
- 第三十四話阿野様太郎太郎という若者が主人の逆鱗に触れ簀(魞)に入れられ池に沈められそうになるが、白鑞の鏡が埋めてあると嘘をついて人夫を騙し、目の…
- 第三十五話お吉・お玉継母は先妻の娘お吉を疎んで毒饅頭や寝込みを狙う刃で殺そうとするが、妹お玉の機転で難を逃れさせる。継母は病に倒れ十九歳の娘の生…
- 第三十六話あぐな千繩学問好きな若者のもとへ天女が降りて妻となり、三年かけて織った布が殿様の目に留まる。妻の正体を疑った殿様は灰の縄千把や雷神を持…
- 第三十七話脛子たんぱこ子のない夫婦が薬師様に願をかけて籠り、満願の夜になったところで本文が途切れている。薬師如来への祈願による子授け譚と推測される…
- 第三十八話脛子タンパコ子のない夫婦が夢のお告げにより脛に宿った子を大切に育てるよう告げられ、やがて脛から小さな男児「脛子タンパコ」が生まれる。成長…
- 第三十九話おんちこへんちこ博打に負けたもんぢやの吉が野原の地蔵と博打をして勝ち、地蔵から朱塗りの箆を譲り受ける。尻を拭うとその箆は「オンチコ・ヘンチコ…
- 第四十話左様の根婿入りの挨拶の仕方を知らない馬鹿聟が隣の老人の知恵を借り、鰹節に結んだ紐を床下の穴に通し、老人が引く合図に合わせて「左様でご…
- 第四十一話山々の屁びりおんぢ長者殿の林で無断で木を伐っていた老人が「山々の屁びりおんぢ」と名乗り、庭先で見事な調子の屁を披露して褒美の酒と金を得る。それ…
- 第四十二話娘に通った蛇毎晩娘の寝間から話し声が聞こえるため両親が問いただすと、紋付羽織を着た男が通ってくると娘が告白する。両親は男の羽織の紋に糸の…
- 第四十三話水銀で蛇の子退治蛇に子を宿された娘を助けるため、親たちは盥に水を汲み水銀を使わせた。すると腹中の蛇の子は苦しんで死んでしまったという話。
- 第四十四話剃刀和尚は塩引きを剃刀で切って一人で食べており、小僧に「見聞きしたことは口にするな」と戒める。その後小僧は橋の下の魚を「剃刀」と…
- 第四十七話翁捨山七十二歳になった親を山に捨てる定めだったが、息子は帰り道を案じて柴を折る親心に感じ入り、こっそり床下に匿う。天下様から出され…
- 第四十八話ちよいわこら博打好きのもんぢやの吉は松の瘤を磨いて「ちよいわこら」という火伏せの呪具だと偽り和尚に売りつけ、湿った藁積みで火を消して見せ…
- 第四十九話屁ひり嫁嫁いで顔色の悪い嫁が、実家では自由にしていた屁を我慢していたのだと姑に打ち明ける。柱につかまるよう言われて豪快に放屁すると姑…
- 第五十一話ちよへん子先妻の子ちよへん子を、継母は実子ちやはん子に殺させようとするが、優しいちやはん子の機転で二度失敗する。業を煮やした継母は悪者…
- 第五十二話玉一譚子のない夫婦が観音に祈願して男の子を授かるが、お告げ通り子は七歳で父を失い、母も盲目となる。成長した息子は川辺で出会った女を…
- 第五十三話酒買いの小僧酒好きの寺の和尚が、いつも小僧に指の本数で量を示して酒を買いに行かせていた場面から始まるが、本文はここで途切れており結末は不…
- 第五十四話酒二斗一升和尚は指の数で酒の量を小僧に指示して買わせるが、自分だけ飲み小僧には飲ませなかった。仕返しに小僧が便所の踏み板を鋸で切ってお…
- 第五十六話生附いた黄金ある男が庭木にする松を掘っていて根元から黄金の入った瓶を見つけるが、そのまま埋め戻して隣人に話す。隣人が同じ場所を掘って持ち…
- 第五十七話爺ナの畠打ち畑を打つ爺さんが鼠に焼餅を分け与えると、親鼠が礼として爺さんの目を閉じさせ鼠の御殿へ招き、ご馳走とお金を土産に持たせてくれる…
- 第五十八話頭に柿の木茶屋で酔いつぶれて寝る癖のある下男の禿頭に子供達が柿の種をぶつけると、やがて柿の木が生えて実がなる。下男はそれと知らず柿を取…
- 第五十九話夕顔の男殿和尚が隣の夕顔に女の面と振袖を着せて部屋に置き、夜ごと三味線を弾いて楽しんでいた。不審に思った小僧が押入れの夕顔を叩き正体を…
- 第六十話猿の嫁子長者の畑を耕してくれた猿に約束通り娘が嫁がされる。奥山への道中、娘は父への土産にと岩石と藤の花を欲しがり、猿に岩を背負わせた…
- 第六十一話長い名前の子供生まれた男の子にとても長ったらしい名前をつける。その子が川で遊んでいて誤って落ちてしまい、助けを呼びに来た仲間達が長い名前を…
- 第六十二話爺の粉挽き歌爺は屋根葺き、婆は針刺し、娘は土間掃きをしている中で見つけた豆を炒って粉に挽く、わらべ歌調の累積話。粉を借りに隣へ行く道中で…
- 第六十三話今朝のしばれ舅への年始の挨拶の仕方を尋ねられた隣の兄は、氷下魚を捕っていた最中で「雑魚の数」の質問と勘違いし、空の魚籠を高く掲げて「今朝…
- 第六十四話毒梨子和尚は留守中に梨を食べないよう小僧に「毒梨子」と偽って出かけるが、小僧は我慢できず食べてしまい大変美味だった。大切な茶碗を割…
- 第六十五話頭さ枕婿入りした馬鹿聟が初めて枕を使い、頭から外れて困るので女房に尋ねると褌で頭に結わえて寝るよう教わる。翌朝そのまま忘れて起きて…
- 第六十六話七人地蔵様大晦日、妻は三年かけて作った半纏を売り、雨雪にさらされた地蔵たちに笠を買って被せ、足りない一体には自分の笠まで与えて夫婦で家…
- 第六十七話ぷっぷとあえ燗和尚は小僧たちを寝かせてから餅を焼き酒を燗して独り楽しみ、その際「プツプ」「アエ燗」と独り言をつぶやく癖があった。餅好きと酒…
- 第六十八話三人の聟三人の聟が舅の前で世間話をする中、二人は屋敷で聞こえる物音を「竹に虎」「牡丹に唐獅子」ともっともらしく答えて称賛される。無口…
- 第六十九話朱膳朱椀田舎者が上方見物に出て、宿の主人らの言葉「上洛・下向」「朱膳朱椀」「レレペ」「愛宕山にハツチ」「エンヤラヤノドツコイショ」の…
- 第七十話おけあえもんこ婿入りした馬鹿聟は台所で女たちが小豆餅を「おけあえもんこ(恐ろしい物)」と呼ぶのを立ち聞きし、出された小豆餅を怖がって食べず…
- 第七十一話餅焼き和尚は檀家から貰った餅を隠れて焼いて食べる癖があり、小僧に村の普請の様子を見てくるよう言いつけて追い払おうとする。小僧はすぐ…
- 第七十二話てんぼ競べ京の嘘つきと田舎の嘘つきが嘘比べをしに訪ねてくるが、田舎者の子供が「父は須彌山を支えに行った」「母は天竺で蚤や虱の皮を売りに…
- 第七十三話擂粉木妻は毎晩戸口の節穴に尻を向けて足を洗う習慣があり、隣家の夫がその節穴から悪戯をしていることに家の夫が気づく。ある晩、夫が妻の…
- 第七十四話隣のとゞを助ける嚊亭主が家の中の何かを捕まえようとして嚊に庖刀を持って来いと命じるが、嚊は隣の「とゞ」をこっそり逃がしてやり、代わりに擂粉木を…
- 第七十五話夕顔長者仕合わせのよい兄と貧しく正直な弟がおり、種籾を失った弟が兄に借りるが、兄はわざと湯に浸した種籾を貸す。蒔いても苗は生えず一本…
- 第七十六話せっとこせっ婿入り先で団子をご馳走になった馬鹿聟は、名前を忘れないよう「団子団子」と唱えながら帰るが、途中の堰を跳び越えた拍子に「せっと…
- 第七十七話狐のうば子程島の狐が木の葉や雉子の毛を使って美しい娘「うば子」に化け、長者屋敷に入り込んで本物の娘のように歓迎される。もんぢやの吉がそ…
- 第七十八話桃の子太郎子のない爺と婆が川から流れてきた桃を拾うと中から男の子が生まれ、桃の子太郎と名付けて育てる。成長した太郎は黍団子を持って鬼ケ…
- 第七十九話かちかち山爺が捕らえた悪い狸が、留守中に婆を騙して殺し婆汁を作って爺に食べさせる。真相を知った爺のために兎が敵討ちを買って出て、柴を背…
- 第八十話舌切り雀の宿正直な爺が可愛がっていた雀が、隣の欲張り婆に糊を舐めたことを怒られ舌を切られて逃げてしまう。爺は雀の宿を訪ねて手厚くもてなさ…
- 第八十一話古屋のムル雨の夜、爺と婆が「唐土の虎より古屋の漏りが怖い」と話すのを、厩に隠れていた虎が聞いて自分より怖い「古屋の漏り」を恐れ逃げよう…
- 第八十二話隠れ蓑と隠れ笠ずる賢い子供が破れ籠を顔に当てて「江戸が見える」「大阪が見える」と独り言を言い、それを見た天狗が驚いて欲しがる。子供は天狗の…
- 第八十三話柱隠し婿として舅の家を訪ねる途中、妻から「座敷の床柱に節穴があったら柱隠しを掛けるとよいと言うように」と入れ知恵される。婿は座敷で…
- 第八十四話怠け者働かずに美味しい物を食べたいと土産神に願をかけた男は、教え通り足の向くまま歩いて山奥の立派な屋敷にたどり着き、美しい女に迎え…
- 第八十五話女房を出す戸口隣の女房と自分の妻を見比べ、働き者の妻を醜いと詰って離縁を言い渡した男は、いざ妻が身支度をして出て行こうとすると急に美しく見…
- 第八十六話馬鹿息子親類の家で貰った品物の扱いについて、母親の前回の教えをそのまま次の状況に当てはめて失敗し続ける愚かな息子の話。鉄瓶を引きずっ…
- 第八十七話話賣り両親から二百両を持たされ旅に出た息子は、一話百両の「話売り」から「柱のない家に泊まるな」「不思議な物には気をつけて見よ」とい…
因幡・伯耆9話
- 第二話佐治谷の與太の話因幡国八頭郡佐治谷は正直すぎて時に間が抜けた者が多い村であった。与太という若者が親類の葬式の手伝いに出かけ、屋根の上の烏を和…
- 第四話天狗の宝物山で天狗に呼び止められた太郎は、持っていた品物と引き換えに隠れ蓑・隠れ笠を譲り受けるが、帰宅時に燭台の火で燃やしてしまう。焼…
- 第六話盗人の悔悟米子町に住む正直な爺と婆の家に、ある夜盗人が忍び込む。物音に気づいた爺と婆は驚いて追い払うどころか、むしろ盗人を家に招き入れ…
- 第七話盗人の悔悟老夫婦の家に賊が塀を破って忍び込むと、婆は追い返すどころか飯を食わせ、破れた塀を近所に見つからぬよう賊自身に手伝わせて直させ…
- 第九話湖山長者気高郡に湖山長者という富裕な長者がおり、広大な田地に大勢で田植えをした夏の日、日没が迫っても植え終わらないため、長者は金の団…
- 第十話人助の熊伯耆国日野郡の樵夫九衛門は大雪の山で道に迷い谷底に転落して雪に埋もれ気絶するが、目覚めると熊の温かい手に触れられていた。恐る…
- 第十二話慾張り爺正直な爺が山で団子を落とし、転がった穴に入ると鼠の世界にたどり着く。団子を食べた鼠たちは詫びて金銀財宝を与え、爺は喜んで帰る…
- 第十三話因幡の白兎大国主神の意地の悪い兄神たちが八上姫に求婚するため因幡へ向かう途中、気多郡内海村の辺りで毛のない裸の兎に出会う。兎は鰐と喧嘩…
- 第十四話因幡の白兎隠岐の島から因幡へ渡りたい白兎が、鰐(わに)たちを騙して仲間の数を数えるふりをしながら背中を橋のように並ばせ、海を渡り切る…