T6 — 動物の変化
狐や狼や猿が化ける、あるいは人に関わる話。
遠野25話
- 第二十話蛇の祟りと蛇塚凶変の前、秣を掻き回した際に大蛇が現れ、主人の制止を聞かず打ち殺したところ、その後も多くの蛇が出てきて男たちが面白半分に皆殺…
- 第二十一話孫左衛門と稲荷の狐学者肌の孫左衛門は狐と親しんで家運を富ませようと、庭に稲荷の祠を建て京都で正一位の神階を得た。日々油揚げを供え続けると狐は馴…
- 第三十二話千晩ヶ岳白鹿と死助権現千晩ヶ岳の沼は物凄く生臭い谷で、昔隼人という猟師が白鹿を追って千晩こもったことから山の名となった。鹿は片肢を折りながら次の山…
- 第三十六話猿と御犬の経立猿の経立や御犬(狼)の経立は恐ろしいものである。山口村近くの二ツ石山で雨の日、下校中の子どもが岩の上に御犬がうずくまり、代わ…
- 第三十七話狼の群れと火除け境木峠と和山峠の間では、昔は駄賃馬を追う馬方が夜道でしばしば狼の群れに遭遇した。二三百もの狼に取り囲まれた際は火を焚いて防い…
- 第三十八話酔いに誘われた狼禍小友村の旧家の主人が酒に酔い、御犬(狼)の遠吠えを真似たところ、狼が後をつけて来た。恐ろしくなり門を固く閉ざして家に籠ったが…
- 第三十九話狼に食われし鹿佐々木君が幼い頃、祖父と山から帰る途中、村近くの谷川の岸で横腹を破られたばかりの大鹿の死骸を見つけた。祖父はこれを狼が食い殺…
- 第四十話狼の擬態と毛色草の丈が三寸ほどあれば狼はその中に身を隠すことができるという。また狼の毛の色は季節ごとの草木の色の移ろいに合わせて変化してい…
- 第四十一話峠を越える狼の大群和野の佐々木嘉兵衛が境木越の大谷地へ狩に出た秋の暮れ、向こうの峯から何百とも知れぬ狼の群れが押し寄せるのを見て恐ろしさに樹に…
- 第四十二話狼退治と鉄の最期六角牛山麓の萱山で飯豊村の者が狼の子を三匹見つけ二匹を殺して一匹を持ち帰ったところ、以後この村の馬ばかりが狼に襲われるように…
- 第四十三話熊と組討ちの逸話上郷村の熊という男が友人と六角牛山へ雪の日に狩に出て大きな熊と出会い、銃を捨てて抱きつき谷川まで転げ落ちた。熊の下敷きになり…
- 第四十四話笛吹く男と経立六角牛の峯続き、橋野村の金坑で炭焼きをしていた笛の上手な男が、昼間小屋で仰向けに寝転び笛を吹いていると、小屋の入口の菰を掲げ…
- 第四十五話経立の姿と習性猿の経立は人によく似た振る舞いをし、女色を好んで里の婦人をさらうことが多いとされる。毛には松脂を塗ってその上に砂をつけている…
- 第四十六話経立と鹿撃ちの誤認栃内村林崎に住む今五十近い男が、十年余り前に六角牛山へ鹿撃ちに行きオキ(鹿笛)を吹いたところ、猿の経立が本物の鹿と思い違え地…
- 第四十七話子供脅す経立の噂この地方では子供を叱る際に「六角牛の猿の経立が来るぞ」と言うのが常套句であった。実際この山には猿が多く、緒の滝へ行くと崖の樹…
- 第四十八話仙人峠のいたずら猿仙人峠にも猿が多く棲んでおり、通行人にじゃれついたり石を投げつけたりするいたずらをすることがあるという。
- 第五十一話オット鳥の悲恋山中で最も寂しい声で鳴く鳥はオット鳥である。長者の娘が長者の息子と山に遊びに行き、男が姿を消して見つからなかったため、娘はつ…
- 第五十二話馬追鳥と飢饉の前兆馬追鳥は時鳥に似た鳥で、長者の家の奉公人が放牧した馬一匹を見失い、探し続けた末にこの鳥になったという。「アーホー」と鳴く声は…
- 第五十三話郭公と時鳥の姉妹譚郭公と時鳥は昔姉妹であった。姉が芋の堅い部分を自分で食べ軟らかい部分を妹に与えたのを、妹は姉の方が旨い物を食べていると誤解し…
- 第六十話狐に化かされた猟師和野村の嘉兵衛爺が雉子小屋で待っていると、狐が繰り返し現れて雉子を追い払う。憎く思い狙って引金を引いたが火が移らず、銃を調べ…
- 第六十一話白鹿に化けた石名高い猟人が六角牛で白い鹿に出会う。白鹿は神とされ祟りを恐れつつ撃つが弾は当たらず、魔除けの黄金の丸を用いても動じない。近づ…
- 第六十九話オシラサマの起源貧しい百姓の娘が愛馬と夫婦になったことを知った父が馬を殺すと、娘は馬の首にすがって泣き、父がその首を切り落とすと娘は首に乗っ…
- 第九十四話狐と相撲を取った菊蔵菊蔵が柏崎の姉の家からもらった餅を懐に愛宕山の林を通った際、友人の藤七に誘われて相撲を取った。何番も楽に勝ったが、別れた後に…
- 第百話妻に化けた狐を斬る船越の漁夫が夜道で妻らしき女に出会い、化物と思い込み庖丁で刺し殺す。急ぎ帰宅すると妻は無事で恐ろしい夢を見たと語り、再び現場…
- 第百一話死人を操る狐の怪旅人が豊間根村の知人宅に泊まった夜、死人が床の上で起き上がる。よく見ると水口の穴から狐が死体を操っており、旅人はこれを打ち殺…
紫波郡18話
- 第七話和尚様しやあ檀家で酒に酔うたびに狐に化かされて帰る和尚のため、小僧が野原で和尚の声色を真似て狐を呼び出し、叺の中に誘い込んで寺へ連れ帰る…
- 第十二話陣岡左衛門と馬場松夜、夫が妻の手の形を冗談で話した翌朝、二人の侍が「約束通り妻を連れて行く」と言って現れ、夫婦は驚いて和尚に相談すると、狐の仕…
- 第十五話右衛門太郎と左衛門太郎隣同士の右衛門太郎と左衛門太郎が山小屋に泊まった夜、山の神が遅れてやって来て、それぞれの妻が産む子の性別と持って生まれる運(…
- 第十八話雁汁爺さんが拾って育てた白い犬が鹿狩りを助け、獲物の肉を得るが、隣の欲張り婆さんが真似て犬を借りると蜂に刺されて失敗し、腹いせに…
- 第二十話化げ茶釜博打に負けたもんぢやの吉が程島付近で狐に出会い、小豆飯と鰊を渡して立派な茶釜に化けてもらい、それを山寺の和尚に高値で売りつけ…
- 第二十一話たご馬馬喰が泥田に落ちて尻から蛙を体内に飲み込んでしまい、腹の中で蛙が鳴き出す。伯楽の助言で鵜を飲んで蛙を退治させ、暴れる鵜は熊手…
- 第二十七話伊勢詣り猫夫婦は実家から借りた猫に留守番をさせていたが、猫の役立たずを冗談で言うと、猫はひそかに石臼を挽いて働き者ぶりを示す。猫は伊勢…
- 第二十八話もんぢやの吉長者の跡取りらしい「もんぢやの吉」は嫁探しのため野原を歩いていると、藪の中で狐たちが化け比べをしているのに出くわし、声をかけ…
- 第二十九話狐の嫁取りもんぢやの吉が長者殿の嫁探しを頼まれ、狐たちに花嫁行列に化けてくれと頼んで祝言を挙げさせる。翌朝、天井から馬の骨がぶら下がり…
- 第三十二話猿の夜盗猿と蟹が山で餅つきをするが、猿は臼ごと持って逃げて餅を独り占めしようとする。餅を取り返して食べた蟹に腹を立てた猿が夜討ちを予…
- 第三十五話お吉・お玉継母は先妻の娘お吉を疎んで毒饅頭や寝込みを狙う刃で殺そうとするが、妹お玉の機転で難を逃れさせる。継母は病に倒れ十九歳の娘の生…
- 第四十三話水銀で蛇の子退治蛇に子を宿された娘を助けるため、親たちは盥に水を汲み水銀を使わせた。すると腹中の蛇の子は苦しんで死んでしまったという話。
- 第四十五話川獺と狐雪で腹を空かせた狐が川獺から魚を分けてもらい、魚の捕り方を尋ねると、川獺は尾を氷の穴に入れておけば魚がかかると嘘を教える。狐…
- 第五十七話爺ナの畠打ち畑を打つ爺さんが鼠に焼餅を分け与えると、親鼠が礼として爺さんの目を閉じさせ鼠の御殿へ招き、ご馳走とお金を土産に持たせてくれる…
- 第六十話猿の嫁子長者の畑を耕してくれた猿に約束通り娘が嫁がされる。奥山への道中、娘は父への土産にと岩石と藤の花を欲しがり、猿に岩を背負わせた…
- 第七十七話狐のうば子程島の狐が木の葉や雉子の毛を使って美しい娘「うば子」に化け、長者屋敷に入り込んで本物の娘のように歓迎される。もんぢやの吉がそ…
- 第七十九話かちかち山爺が捕らえた悪い狸が、留守中に婆を騙して殺し婆汁を作って爺に食べさせる。真相を知った爺のために兎が敵討ちを買って出て、柴を背…
- 第八十話舌切り雀の宿正直な爺が可愛がっていた雀が、隣の欲張り婆に糊を舐めたことを怒られ舌を切られて逃げてしまう。爺は雀の宿を訪ねて手厚くもてなさ…
因幡・伯耆6話
- 第五話剃り女郎気高郡の立見峠に、人を化かして頭を剃り落とす狐が棲み、村人を悩ませていた。庄屋の酒宴で力自慢していた若者二人が退治を請け負い…
- 第八話経蔵坊鳥取城の久松山に住む忠義な狐・経蔵坊は殿様の使者となり、江戸と鳥取の間二百里を数日で往復する飛脚役を務めていた。ある時播磨の…
- 第十話人助の熊伯耆国日野郡の樵夫九衛門は大雪の山で道に迷い谷底に転落して雪に埋もれ気絶するが、目覚めると熊の温かい手に触れられていた。恐る…
- 第十二話慾張り爺正直な爺が山で団子を落とし、転がった穴に入ると鼠の世界にたどり着く。団子を食べた鼠たちは詫びて金銀財宝を与え、爺は喜んで帰る…
- 第十三話因幡の白兎大国主神の意地の悪い兄神たちが八上姫に求婚するため因幡へ向かう途中、気多郡内海村の辺りで毛のない裸の兎に出会う。兎は鰐と喧嘩…
- 第十四話因幡の白兎隠岐の島から因幡へ渡りたい白兎が、鰐(わに)たちを騙して仲間の数を数えるふりをしながら背中を橋のように並ばせ、海を渡り切る…