T5 — 死・幽霊・前兆
死者が現れる話、死を知らせる前兆の話。
遠野25話
- 第十話山小屋で聞いた妹の叫び奥山で茸採りのため小屋に宿った男が、深夜に遠くで女の「きゃー」という叫び声を聞き胸を轟かせた。里に帰ると、まさに同じ夜同じ刻…
- 第十一話嫁姑の争いと孫四郎の凶行嫁姑の不和から、倅の孫四郎が母を殺そうと大鎌を磨ぎ、家中の戸を閉ざして母を追い詰め斬りつける。母はかつて深山で聞かれたのと同…
- 第十八話座敷童子の去った家の没落旧家山口孫左衛門の家には二人の童女の神が住むと伝えられていたが、ある男が橋のほとりで見馴れぬ二人の娘に出会い、孫左衛門の家か…
- 第十九話毒茸による一家全滅孫左衛門の家で梨の木のまわりに生えた見知らぬ茸を、水桶でよくかき混ぜれば中らぬという言に従い一同で食し、七歳の娘一人を除き家…
- 第二十話蛇の祟りと蛇塚凶変の前、秣を掻き回した際に大蛇が現れ、主人の制止を聞かず打ち殺したところ、その後も多くの蛇が出てきて男たちが面白半分に皆殺…
- 第二十二話死せる祖母の幽霊佐々木家の曾祖母が死去した夜、通夜の座敷にいた母と祖母は、裏口から歩いてくる亡き老女の姿を見た。生前そのままの着物姿で炉端の…
- 第二十三話逮夜に現れた老女の霊二七日の逮夜、念仏を終えて帰ろうとした人々が門口の石に腰掛ける老女を見たが、それは亡くなった人物の後ろ姿そのものであった。多…
- 第五十二話馬追鳥と飢饉の前兆馬追鳥は時鳥に似た鳥で、長者の家の奉公人が放牧した馬一匹を見失い、探し続けた末にこの鳥になったという。「アーホー」と鳴く声は…
- 第五十四話淵の底の亡者の家川井村の長者の奉公人が淵に斧を落とし、水底に入ると亡くなった主人の娘の家があり、娘が機を織っていた。娘は口外しないことを条件…
- 第六十五話安倍ヶ城の雨の前兆早池峯山の険しい崖の中腹に安倍ヶ城という岩があり、安倍貞任の母が今も住んでいると言い伝えられている。雨が降る前の夕方には岩屋…
- 第七十七話跨いだ死人の幻影葬式の夜、田尻長三郎が一人遅れて帰る途中、軒下の石を枕に仰臥する見知らぬ男を見つけ、足で揺すっても動かないため跨いで帰った…
- 第七十八話雪合羽の男と死の前兆長蔵が夜遊びの帰りに門前で雪合羽を着た男に出会い、怪しんで見ると男は垣根のある方へすっと消えた。後に同じ頃、新張村の者が浜か…
- 第七十九話玄関に消えた懐手の男先代の長蔵が夜遊びから帰ると門口に懐手の男が立っており、妻への通い者かと近づくと男は玄関の隙間から中へ消えた。戸の隙間に手を…
- 第八十一話雲壁に寝る蒼白い男前川万吉が夜遊びの帰りに廻り縁の角で雲壁を見ると、色の蒼ざめた男がひたとつきて寝ているのを見て大いに驚き病んだが、これも何の…
- 第八十二話茶の間に立つ影法師田尻丸吉が少年の頃、便所に行こうと茶の間に入ると座敷との境に髪を垂らした人影が立っていた。手を伸ばして探ると板戸に触れるのみ…
- 第八十六話死期に現れた父の霊豆腐屋の政の父が大病で死にかけていた頃、隣の字下栃内の地固めの堂突の場に夕方現れ、人々に挨拶して仕事を手伝い暗くなって帰った…
- 第八十七話死の直前に寺を訪れた主人遠野の豪家の主人が大病で死にかけていた頃、ある日菩提寺を訪れ和尚と世間話をして帰った。小僧に跡をつけさせると姿が見えなくなり…
- 第八十八話大病の老人が寺を訪ねた話常堅寺近くで大病を患う老人に出会い、二三日気分が良いので寺へ話を聞きに行くと言われた。和尚も出迎えて茶を出しもてなしたが、小…
- 第九十話天狗森の大男と若者の惨死天狗森の麓の畑で居眠りしようとした若者の前に、顔の真っ赤な大男が現れた。相撲好きの若者が挑みかかると逆に飛ばされ気を失った…
- 第九十一話山の神を邪魔した鳥御前の死山々に詳しい鳥御前が茸採りに出た際、大岩の陰で赭い顔の男女が話しているのに出くわし、戯れに切刃で打ちかかったところ蹴られて気…
- 第九十三話峠で子の死を告げた異人菊池菊蔵が病気の子を診に妻を迎えに笛吹峠を越えていたところ、薄暗い山道で崖の上から赭い顔で目の光る男に「お前の子はもう死んで…
- 第九十六話火事を予言する白痴の男遠野の町に住む白痴の男は、路上の木切れや塵を拾って嗅ぐ癖があり、時折人家に石を投げつけて火事だと叫ぶことがあった。すると必ず…
- 第九十七話傷寒の臨死体験飯豊の菊池松之丞が傷寒で危篤となった際、空中を飛ぶように菩提寺へ向かい、花咲き乱れる門内で亡き父と亡くなった子に出会う。呼び…
- 第九十九話津波で失った妻の霊土淵村の福二は大海嘯で妻子を失い、屋敷跡に小屋を建てて暮らしていたが、ある夜霧の中で亡き妻が別の亡くなった男と連れ立って歩く…
- 第百一話死人を操る狐の怪旅人が豊間根村の知人宅に泊まった夜、死人が床の上で起き上がる。よく見ると水口の穴から狐が死体を操っており、旅人はこれを打ち殺…