岩手県 — 紫波郡
小笠原謙吉 編『紫波郡昔話集』(1938)を底本に、87話を掲載しています。この文献の話には通し番号が無いため、話番号は本サイトで付けた収録順の通し番号です。
- 第一話瓜子姫こ川から流れてきた瓜を拾った婆さまが中から生まれた女の子を瓜子姫として大切に育てるが、留守番中に山婆に騙されて食べられ、皮をか…
- 第二話黄金の生る吹花殿様の前で誤って屁をひった奥方は里へ帰され、そこで男の子を生む。父無し子と呼ばれ育った子は学問に励み、色紙で作った花を「屁を…
- 第三話古河の幸太古河の幸太は北上川で鴨撃ちに出かけるが、鉄砲で撃つより川に潜って捕まえようと考え、捕らえた鴨の首を次々に自分の褌に挟み込んで…
- 第四話古河の幸太北上川の淀で鴨にさらわれた幸太が奈良の大仏の屋根に落とされ、村人の風呂敷で降りようとして失敗し土中に落ちる。医者にもらった薬…
- 第五話二歳胡麻に三歳胡麻昔語りを聞くと必ず「飽きた」と遮ってしまう長者殿のお婆さんを退屈させて眠らせた者に胡麻を与えるという高札が立つ。訪れた男が蛇…
- 第六話福の神よげない門松を迎えに南昌山へ行った男が笊淵に浮かぶ鴨を見て門松を淵に投げ入れると、淵から現れた女に招かれ水底の座敷でもてなされる。門…
- 第七話和尚様しやあ檀家で酒に酔うたびに狐に化かされて帰る和尚のため、小僧が野原で和尚の声色を真似て狐を呼び出し、叺の中に誘い込んで寺へ連れ帰る…
- 第八話長薯十七本貧しい聟が長者殿の秋餅の宴に手土産を持たず、川で鴨を撃ち、追った先の橋杭の間で長薯十七本を掘り当て、脱いでいた股引には魚まで…
- 第九話化物寺住職が代々食い殺されるという化物寺に旅の僧が泊まると、夜中に三つ目で歯の大きな入道が次々現れて頭を弾こうとするので、旅僧は木…
- 第十話若木の箒父は三人の息子に金百両と蔵を与え、三年の間に蔵へ最も価値ある物を入れた者を跡取りにすると告げる。総領息子は財を求めず、破損し…
- 第十一話鼻利き夫は留守中に妻が隣家の男を招いてご馳走することに気づき、外出したふりをして厩の梁に隠れ、二人が餅を搗く様子を長い棒でつついて…
- 第十二話陣岡左衛門と馬場松夜、夫が妻の手の形を冗談で話した翌朝、二人の侍が「約束通り妻を連れて行く」と言って現れ、夫婦は驚いて和尚に相談すると、狐の仕…
- 第十三話糠福と米福継母は先妻の子・糠ん福には底の破れた叺を、実子・米ん福には無事な叺を持たせて栗拾いに行かせ、姉に先を歩かせて意地悪をする。山…
- 第十四話豆こ一つ貧しい老夫婦が見つけた一粒の豆が穴に転がり込み、掘り進めると地蔵様のもとへたどり着く。地蔵様に招かれ膝・肩・頭に上って鶏の鳴…
- 第十五話右衛門太郎と左衛門太郎隣同士の右衛門太郎と左衛門太郎が山小屋に泊まった夜、山の神が遅れてやって来て、それぞれの妻が産む子の性別と持って生まれる運(…
- 第十六話打たん太鼓に鳴る太鼓難題ばかり言いつける和尚に「何だべを買って来い」と命じられた小僧は、橋で見た馬の腸を持ち帰り呆れられる。次に「打たん太鼓に鳴…
- 第十七話二束四束刈上げ餅を搗く晩に泊まった盲目の座頭は、夫婦が「盗んだ稲で搗いた餅だから食わせられぬ」と隠した餅を、寝たふりをしてこっそり夫…
- 第十八話雁汁爺さんが拾って育てた白い犬が鹿狩りを助け、獲物の肉を得るが、隣の欲張り婆さんが真似て犬を借りると蜂に刺されて失敗し、腹いせに…
- 第十九話山婆山寺の小僧が山で美しい女に出会い夜に会う約束をするが、和尚は正体を山婆と見抜きお札を三枚持たせる。小僧は山婆の家から便所と偽…
- 第二十話化げ茶釜博打に負けたもんぢやの吉が程島付近で狐に出会い、小豆飯と鰊を渡して立派な茶釜に化けてもらい、それを山寺の和尚に高値で売りつけ…
- 第二十一話たご馬馬喰が泥田に落ちて尻から蛙を体内に飲み込んでしまい、腹の中で蛙が鳴き出す。伯楽の助言で鵜を飲んで蛙を退治させ、暴れる鵜は熊手…
- 第二十二話伊勢詣り毎朝南の方角を見つめる子どもが伊勢参りを望み、親に許されて旅立つ。ある村では一人旅の者は村外れの空き家に泊まるよう言われ、そ…
- 第二十三話伊勢詣り子伊勢参りに出た子どもが空き家に泊まると、夜中に赤蝋燭と赤坊主、黒蝋燭と黒坊主が現れて踊った後、美しい女性が現れて座敷と常居の…
- 第二十四話べごこ長者大晦日に買い物に出た父親は正月用品ではなく炭を買って帰り、妻は怒って実家へ帰ってしまう。父親は炭を家中に撒いて客をもてなす真…
- 第二十五話桃賣殿樣若者は水浴びしていた三人の天女のうち一人の羽衣を隠して妻にするが、天女が描いた自分の姿絵が風で殿様の庭に飛んで行き、殿様に見…
- 第二十六話播磨の國糸長庄司城普請に来た三人の百姓が昼休みに望みを語り合い、それを聞いた殿様が三人それぞれに殿様の食事・千両箱・奥方の一人を与える。三番…
- 第二十七話伊勢詣り猫夫婦は実家から借りた猫に留守番をさせていたが、猫の役立たずを冗談で言うと、猫はひそかに石臼を挽いて働き者ぶりを示す。猫は伊勢…
- 第二十八話もんぢやの吉長者の跡取りらしい「もんぢやの吉」は嫁探しのため野原を歩いていると、藪の中で狐たちが化け比べをしているのに出くわし、声をかけ…
- 第二十九話狐の嫁取りもんぢやの吉が長者殿の嫁探しを頼まれ、狐たちに花嫁行列に化けてくれと頼んで祝言を挙げさせる。翌朝、天井から馬の骨がぶら下がり…
- 第三十話仙北町のとんちき仙北町の粗忽者が志和稲荷への参詣を思い立ち、妻の指図を次々と聞き違えて、握り飯の代わりにお歯黒壺を、風呂敷の代わりに妻の腰巻…
- 第三十一話姥皮百姓の父親が蛙を助けてくれた蛇に娘を一人嫁にやる約束をし、末娘が承知して蛇の元へ嫁ぐ。娘は蛇の穴に針を投げ込んで大蛇の一族を…
- 第三十二話猿の夜盗猿と蟹が山で餅つきをするが、猿は臼ごと持って逃げて餅を独り占めしようとする。餅を取り返して食べた蟹に腹を立てた猿が夜討ちを予…
- 第三十三話阿野様和山の阿野様に仕える太郎という子供が、盗んだ米を松の木に吹きかけて鷹の巣があるように見せかけ、旦那様を騙して木に登らせる。梯…
- 第三十四話阿野様太郎太郎という若者が主人の逆鱗に触れ簀(魞)に入れられ池に沈められそうになるが、白鑞の鏡が埋めてあると嘘をついて人夫を騙し、目の…
- 第三十五話お吉・お玉継母は先妻の娘お吉を疎んで毒饅頭や寝込みを狙う刃で殺そうとするが、妹お玉の機転で難を逃れさせる。継母は病に倒れ十九歳の娘の生…
- 第三十六話あぐな千繩学問好きな若者のもとへ天女が降りて妻となり、三年かけて織った布が殿様の目に留まる。妻の正体を疑った殿様は灰の縄千把や雷神を持…
- 第三十七話脛子たんぱこ子のない夫婦が薬師様に願をかけて籠り、満願の夜になったところで本文が途切れている。薬師如来への祈願による子授け譚と推測される…
- 第三十八話脛子タンパコ子のない夫婦が夢のお告げにより脛に宿った子を大切に育てるよう告げられ、やがて脛から小さな男児「脛子タンパコ」が生まれる。成長…
- 第三十九話おんちこへんちこ博打に負けたもんぢやの吉が野原の地蔵と博打をして勝ち、地蔵から朱塗りの箆を譲り受ける。尻を拭うとその箆は「オンチコ・ヘンチコ…
- 第四十話左様の根婿入りの挨拶の仕方を知らない馬鹿聟が隣の老人の知恵を借り、鰹節に結んだ紐を床下の穴に通し、老人が引く合図に合わせて「左様でご…
- 第四十一話山々の屁びりおんぢ長者殿の林で無断で木を伐っていた老人が「山々の屁びりおんぢ」と名乗り、庭先で見事な調子の屁を披露して褒美の酒と金を得る。それ…
- 第四十二話娘に通った蛇毎晩娘の寝間から話し声が聞こえるため両親が問いただすと、紋付羽織を着た男が通ってくると娘が告白する。両親は男の羽織の紋に糸の…
- 第四十三話水銀で蛇の子退治蛇に子を宿された娘を助けるため、親たちは盥に水を汲み水銀を使わせた。すると腹中の蛇の子は苦しんで死んでしまったという話。
- 第四十四話剃刀和尚は塩引きを剃刀で切って一人で食べており、小僧に「見聞きしたことは口にするな」と戒める。その後小僧は橋の下の魚を「剃刀」と…
- 第四十五話川獺と狐雪で腹を空かせた狐が川獺から魚を分けてもらい、魚の捕り方を尋ねると、川獺は尾を氷の穴に入れておけば魚がかかると嘘を教える。狐…
- 第四十六話牛方と山婆山中で日が暮れた牛方が余った肴汁を「食べに来い」とからかい半分に叫ぶと山婆が現れ、肴汁と牛を平らげてしまう。逃げ込んだ一軒家…
- 第四十七話翁捨山七十二歳になった親を山に捨てる定めだったが、息子は帰り道を案じて柴を折る親心に感じ入り、こっそり床下に匿う。天下様から出され…
- 第四十八話ちよいわこら博打好きのもんぢやの吉は松の瘤を磨いて「ちよいわこら」という火伏せの呪具だと偽り和尚に売りつけ、湿った藁積みで火を消して見せ…
- 第四十九話屁ひり嫁嫁いで顔色の悪い嫁が、実家では自由にしていた屁を我慢していたのだと姑に打ち明ける。柱につかまるよう言われて豪快に放屁すると姑…
- 第五十話物食はぬ女房独身の男が山仕事の際、仲間と『物を食わない女房が欲しい』と話していると、そのような女が現れて妻になった。ところが米や味噌が減…
- 第五十一話ちよへん子先妻の子ちよへん子を、継母は実子ちやはん子に殺させようとするが、優しいちやはん子の機転で二度失敗する。業を煮やした継母は悪者…
- 第五十二話玉一譚子のない夫婦が観音に祈願して男の子を授かるが、お告げ通り子は七歳で父を失い、母も盲目となる。成長した息子は川辺で出会った女を…
- 第五十三話酒買いの小僧酒好きの寺の和尚が、いつも小僧に指の本数で量を示して酒を買いに行かせていた場面から始まるが、本文はここで途切れており結末は不…
- 第五十四話酒二斗一升和尚は指の数で酒の量を小僧に指示して買わせるが、自分だけ飲み小僧には飲ませなかった。仕返しに小僧が便所の踏み板を鋸で切ってお…
- 第五十五話大沼のぬし男が大沼のほとりで沼の女から五郎沼の男へ手紙を届けるよう頼まれるが、途中の茶屋の亭主が中身を盗み見ると自分を食い殺せという内…
- 第五十六話生附いた黄金ある男が庭木にする松を掘っていて根元から黄金の入った瓶を見つけるが、そのまま埋め戻して隣人に話す。隣人が同じ場所を掘って持ち…
- 第五十七話爺ナの畠打ち畑を打つ爺さんが鼠に焼餅を分け与えると、親鼠が礼として爺さんの目を閉じさせ鼠の御殿へ招き、ご馳走とお金を土産に持たせてくれる…
- 第五十八話頭に柿の木茶屋で酔いつぶれて寝る癖のある下男の禿頭に子供達が柿の種をぶつけると、やがて柿の木が生えて実がなる。下男はそれと知らず柿を取…
- 第五十九話夕顔の男殿和尚が隣の夕顔に女の面と振袖を着せて部屋に置き、夜ごと三味線を弾いて楽しんでいた。不審に思った小僧が押入れの夕顔を叩き正体を…
- 第六十話猿の嫁子長者の畑を耕してくれた猿に約束通り娘が嫁がされる。奥山への道中、娘は父への土産にと岩石と藤の花を欲しがり、猿に岩を背負わせた…
- 第六十一話長い名前の子供生まれた男の子にとても長ったらしい名前をつける。その子が川で遊んでいて誤って落ちてしまい、助けを呼びに来た仲間達が長い名前を…
- 第六十二話爺の粉挽き歌爺は屋根葺き、婆は針刺し、娘は土間掃きをしている中で見つけた豆を炒って粉に挽く、わらべ歌調の累積話。粉を借りに隣へ行く道中で…
- 第六十三話今朝のしばれ舅への年始の挨拶の仕方を尋ねられた隣の兄は、氷下魚を捕っていた最中で「雑魚の数」の質問と勘違いし、空の魚籠を高く掲げて「今朝…
- 第六十四話毒梨子和尚は留守中に梨を食べないよう小僧に「毒梨子」と偽って出かけるが、小僧は我慢できず食べてしまい大変美味だった。大切な茶碗を割…
- 第六十五話頭さ枕婿入りした馬鹿聟が初めて枕を使い、頭から外れて困るので女房に尋ねると褌で頭に結わえて寝るよう教わる。翌朝そのまま忘れて起きて…
- 第六十六話七人地蔵様大晦日、妻は三年かけて作った半纏を売り、雨雪にさらされた地蔵たちに笠を買って被せ、足りない一体には自分の笠まで与えて夫婦で家…
- 第六十七話ぷっぷとあえ燗和尚は小僧たちを寝かせてから餅を焼き酒を燗して独り楽しみ、その際「プツプ」「アエ燗」と独り言をつぶやく癖があった。餅好きと酒…
- 第六十八話三人の聟三人の聟が舅の前で世間話をする中、二人は屋敷で聞こえる物音を「竹に虎」「牡丹に唐獅子」ともっともらしく答えて称賛される。無口…
- 第六十九話朱膳朱椀田舎者が上方見物に出て、宿の主人らの言葉「上洛・下向」「朱膳朱椀」「レレペ」「愛宕山にハツチ」「エンヤラヤノドツコイショ」の…
- 第七十話おけあえもんこ婿入りした馬鹿聟は台所で女たちが小豆餅を「おけあえもんこ(恐ろしい物)」と呼ぶのを立ち聞きし、出された小豆餅を怖がって食べず…
- 第七十一話餅焼き和尚は檀家から貰った餅を隠れて焼いて食べる癖があり、小僧に村の普請の様子を見てくるよう言いつけて追い払おうとする。小僧はすぐ…
- 第七十二話てんぼ競べ京の嘘つきと田舎の嘘つきが嘘比べをしに訪ねてくるが、田舎者の子供が「父は須彌山を支えに行った」「母は天竺で蚤や虱の皮を売りに…
- 第七十三話擂粉木妻は毎晩戸口の節穴に尻を向けて足を洗う習慣があり、隣家の夫がその節穴から悪戯をしていることに家の夫が気づく。ある晩、夫が妻の…
- 第七十四話隣のとゞを助ける嚊亭主が家の中の何かを捕まえようとして嚊に庖刀を持って来いと命じるが、嚊は隣の「とゞ」をこっそり逃がしてやり、代わりに擂粉木を…
- 第七十五話夕顔長者仕合わせのよい兄と貧しく正直な弟がおり、種籾を失った弟が兄に借りるが、兄はわざと湯に浸した種籾を貸す。蒔いても苗は生えず一本…
- 第七十六話せっとこせっ婿入り先で団子をご馳走になった馬鹿聟は、名前を忘れないよう「団子団子」と唱えながら帰るが、途中の堰を跳び越えた拍子に「せっと…
- 第七十七話狐のうば子程島の狐が木の葉や雉子の毛を使って美しい娘「うば子」に化け、長者屋敷に入り込んで本物の娘のように歓迎される。もんぢやの吉がそ…
- 第七十八話桃の子太郎子のない爺と婆が川から流れてきた桃を拾うと中から男の子が生まれ、桃の子太郎と名付けて育てる。成長した太郎は黍団子を持って鬼ケ…
- 第七十九話かちかち山爺が捕らえた悪い狸が、留守中に婆を騙して殺し婆汁を作って爺に食べさせる。真相を知った爺のために兎が敵討ちを買って出て、柴を背…
- 第八十話舌切り雀の宿正直な爺が可愛がっていた雀が、隣の欲張り婆に糊を舐めたことを怒られ舌を切られて逃げてしまう。爺は雀の宿を訪ねて手厚くもてなさ…
- 第八十一話古屋のムル雨の夜、爺と婆が「唐土の虎より古屋の漏りが怖い」と話すのを、厩に隠れていた虎が聞いて自分より怖い「古屋の漏り」を恐れ逃げよう…
- 第八十二話隠れ蓑と隠れ笠ずる賢い子供が破れ籠を顔に当てて「江戸が見える」「大阪が見える」と独り言を言い、それを見た天狗が驚いて欲しがる。子供は天狗の…
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- 第八十四話怠け者働かずに美味しい物を食べたいと土産神に願をかけた男は、教え通り足の向くまま歩いて山奥の立派な屋敷にたどり着き、美しい女に迎え…
- 第八十五話女房を出す戸口隣の女房と自分の妻を見比べ、働き者の妻を醜いと詰って離縁を言い渡した男は、いざ妻が身支度をして出て行こうとすると急に美しく見…
- 第八十六話馬鹿息子親類の家で貰った品物の扱いについて、母親の前回の教えをそのまま次の状況に当てはめて失敗し続ける愚かな息子の話。鉄瓶を引きずっ…
- 第八十七話話賣り両親から二百両を持たされ旅に出た息子は、一話百両の「話売り」から「柱のない家に泊まるな」「不思議な物には気をつけて見よ」とい…